失われたコーヒー、まだ誰もその価値を見出していないコーヒーを探し求めて旅してきた。
いつしか人は僕をコーヒーハンターと呼ぶようになった...

コーヒー探訪記

2009年6月11日 コロンビア 北サンタンデール

パナマからコロンビアに移動し、ベネズエラ国境の北サンタンデール県の県都ククタに来ました。ククタ市は、ベネズエラ国境まで6キロしかありません。
コロンビアコーヒーの商業栽培発祥の地北サンタンデールですが、最初の出荷はベネズエラのマラカイボ港だったそうです。

ご存知のようにベネズエラは、大産油国です。国内では、1ガロン20円程です。リットルに換算すると約5.3円です。この安い石油を密輸入してククタ市内で販売しています。昨年1月に来た時は、県都ククタ市にガソリンスタンドが3軒しかありませんでした。その代わり個人経営のガソリン屋が、幹線道路沿い30メートルおき位に並んで量り売りをしていました。

道端スタンド.jpg 価格は1.2ドル/ガロン(30円/リットル)で、ガソリンスタンドが3ドル(76円/リットル)ですから、価格は半分以下で、その上密輸のガソリンの方がオクタン価が高いとあって、ガソリンスタンドで買う人は領収書が必要な人だけです。
しかし今回道端スタンドが減っていることに気付きました。友達に訳を尋ねると、業を煮やした政府が、国境県特別処置としてスタンドの価格を道端スタンドと同じ価格にしたのです。もちろんこの県外では、通常通り3ドルです。この影響でスタンドも20軒まで増えたそうです。
驚くのは、ガソリン価格だけではありません。走行している車のほとんどがベネズエラのナンバー・プレートを付けています。コロンビア・プレートを探すのが大変です。そんなにベネズエラ人が多く来ているのかと尋ねたら、全部コロンビア人の所有だと言われてまたビックリです。
ガソリンが安いベネズエラでは、車の輸入税も安いので高率の輸入税が掛るコロンビアで車を買うより、6キロ先のベネズエラ領に入って車を買い登録も済ませてしまい、そのまま乗って国境を越えてきます。コロンビア政府も見逃すしかなく、ただし県内だけの走行に限定していて、県外で走行する際には非常に面倒な手続きが必要で課税されます。

僕とククタの北サンタンデールの出会いは、コロンビアで最初のコーヒーの商業栽培がどうしてこの地で始まったのかにとても興味があり、またそれなら古いアラビカ種が残っていないかと思い調べに来たのが始まりです。またほんのつい最近まで、首都を出るとゲリラの支配下で自由に行き来ができず、コーヒーも新しい技術や品種が紹介されていない可能性が高いのではと推測しまた。ちなみにこの地域にゲリラが多かったのは、国境が近いのでいざとなれば越境して逃げられるからです。

北サンタンデール県サラサール村が、コーヒー栽培発祥の地です。今ではこの周辺では、コーヒーは栽培されていません。海抜が800メートル位で低過ぎるのです。栽培できない高度ではありませんが、さび病と害虫のブロカが大好きな環境なので、常に農薬散布が必要ですし近くに炭鉱が見つかったのも原因です。
1834年にサラサールに赴任したカトリックの神父フランシスコ・ロメロは、前任地ドミニカでコーヒー栽培を習得していました。そして貧しいサラサールにもコーヒーを植えて、村を発展させようと考えました。そこで懺悔に来る信者達に、その罪を許す代わりにコーヒーの苗を植えさせたそうです。

ロメロ神父の教会.jpg ロメロ神父の胸像.jpg そこで村の周辺にコーヒー畑が広がっていき、ベネズエラのマラカイボ港からククタコーヒーとして輸出されました。

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