
半年前に各務原市で自家焙煎珈琲工房ひぐちを経営する樋口精一さんから、是非日本の真ん中各務原でサステイナブルコーヒーのイベントを開いて下さいと頼まれた。

樋口さんは、僕が数年前から始めたサステイナブルコーヒーやその他のコーヒー勉強会に皆勤している熱心なコーヒー屋さんだ。
もし実現すれば、大阪で一回だけ業界向けに開催した以外は、東京以外で初めての開催となる。
樋口さんは、早速各務原市環境部に話を持って行き協力を取り付けると、その足で量販店大手の株式会社ユニーの名物部長百瀬則子さんに面会を申し込んだそうだ。
百瀬さんは、同社の環境社会貢献部の部長で、労働環境省やその他の環境関係の委員会の委員もしている非常に有名な女性。そのフットワークの良さと常に動き続ける仕事ぶりから、別名「回遊魚」と言われている。樋口さんは、熱心に百瀬さんにサステイナブルコーヒーの話をしたが、コーヒー業界でも理解している人の方が少ないこの話題に、百瀬さんはひたすら樋口さんの話を聞くばかり。このイベントが縁で、その後親しくお付き合いをさせていただくことになった百瀬さんから、その時の話を聞いて驚いた。
樋口さんが、出席者の名前を伝えると百瀬さんはびっくりしたそうだ。1週間前に環境労働省に勤務する友人からプレゼントされた本が、僕の書いた『コーヒーハンター』で読み終わったばかりだったからだ。労働環境省より業界初の「エコ・ファースト企業」認定を受けたユニーは、サステイナブルコーヒーへの理解力も早く、その後の話はトントン拍子に進み、ユニーが来場者にエコバックとバイオプラスティックのケースに入った玉子10個を提供してくれることになった。
樋口さん夫妻が、会場や地元での広報を担当し、僕はこのイベントに参加してもらう団体との交渉を受け持った。そしてフェアトレードラベル・ジャパンから中島佳織さん、グッドインサイドから美由紀・オルティスさん、コンサベーション・インターナショナルから山下加夏さんが参加してくれた。僕は前日神戸に出張だったため、東京からSUSCAJ(日本サステイナブルコーヒー協会)の土川理事が、皆さんを引率してくれた。
300人収容の中部学院大学の大講堂が会場だったが、満席に近い参加者に驚いた。各団体からコーヒーを提供していただき、樋口夫妻が休憩時間に有料試飲を行ったが、長蛇の列ができてしまった。試飲していただいたコーヒーは、フェアトレードがタイコーヒー、グッドインサイドがケニア、コンサベーション・インターナショナルがパナマのコーヒーで好評だった。

各団体からの理念と活動報告の後、ユニーの百瀬さんにも環境に対する企業の取り組みの講演をいただいた。
樋口さんが、盛り上がるか一番懸念したパネルディスカッションは、会場からのレベルの高い質問が相次ぎ予定時間をオーバーしてしまった。

閉会後、樋口夫妻の心尽くしの懇親会に出席し、百瀬さんに名古屋駅まで送ってもらい、5人で東京に戻る新幹線の中で、今回の各務原でのイベントについて皆で意見交換した。
こんなことを言っては大変失礼だが、地方都市の各務原で果たして人が集まるのか、またどの程度関心があるのか、誰も事前に口にはしなかったが共通した不安も持っていた。しかし各務原の人々は、熱心に話を聞いてくれ質問をしてくれ、まさしくサステイナブルなイベントになった。また樋口夫妻の情熱と努力が、この会を成功させたと言うのが共通認識だった。更に数多くの中部圏のコーヒー関係者が、聴講していたことも大きな成果だった。
コーヒー業者が、地元自治体とこのようなイベントを組み一つのモデルケースを作ってくれた樋口夫妻に感謝したい。
メールアドレスをご登録頂きますと、今後、コーヒーハンター「ホセ川島」より、活動に関するニュースレターをお送りさせて頂きます。